レイリー商を用いた最小値・最大値問題の解法
レイリー商と呼ばれる下記の数式を最小化することを考えてみます.
ここで,Aは実対称行列としているので,実数固有値が存在します.直交行列 Q によって A をスペクトル分解したとすると,上記レイリー商の定義式は下記のように変形できます.
変形後のレイリー商の分子に注目してほしいんですが,最小固有値を λ1,最大固有値を λnとすると分子の値はそれぞれ二つの固有値によって下限・上限が決まることがわかります.
分子項の下限・上限がはっきりしたので,これをもとにレイリー商を計算すると,
この問題の見方を少し変えると,条件付き最小値・最大値問題が簡単にとけます.例えば,下記のような問題を考えます.
上記の例のように,条件付き最小値・最大値問題が簡単にとけるようになります.この考え方を使って最適化問題を解いていきます.